**CDP(Continuous Data Protection)**は、現代のデータ保護において非常に重要な手法であり、リアルタイムでデータの保護と復旧を可能にします。
本記事では、CDPの基本概念、従来のバックアップ手法との違い、そしてその利点と導入方法について詳しく解説します。
特に、データの変更をリアルタイムで追跡し、任意の時点に復旧できるCDPの特長について知り、システムの信頼性と効率を高める方法を学びましょう。
CDP(継続的データ保護)の基本概念
CDPとは?
**継続的データ保護(CDP)**は、データ保護のアプローチの一つで、データが書き込まれるたびにその操作を常に監視し、記録する手法です。
従来のバックアップ方式では、特定の時間にデータを定期的に複製することが一般的でしたが、CDPはこれをリアルタイムで行います。
これにより、データの変更や追加、削除が即座に記録され、障害が発生した際には任意の時点の状態に迅速に復旧することができます。
CDPのプロセス
CDPのプロセスは以下のようになります:
- データの監視と記録: データの書き込み操作や変更をリアルタイムで監視し、記録します。
- データの複製: 変更されたデータを別の装置にリアルタイムで複製します。
- 世代管理: 複製されたデータは世代管理され、任意の時点の状態に戻すことが可能です。
これにより、システムの稼働中でもデータの保護が行われ、障害発生時に迅速な復旧が実現できます。
従来のバックアップ手法との違い
従来のバックアップ手法
従来のバックアップ手法では、業務が終了した後のバックアップウィンドウの時間にデータを定期的に複製するのが一般的です。
例えば、毎日や毎週のバックアップが行われ、障害時には最も直近のバックアップからデータを復旧します。
この方式はバックアップのスケジュールに依存し、バックアップが取られた瞬間から障害までの間に失われたデータは復旧できません。
CDPの優位性
CDPは、従来のバックアップ手法と異なり、リアルタイムでデータの変更を追跡し、即座に複製を作成します。
これにより、業務中のデータの変更や更新も保護対象に含まれるため、より頻繁にデータを保護することが可能です。
障害が発生した場合でも、最新のデータ状態に戻すことができるため、データ損失のリスクが大幅に減少します。
CDPの課題とニアCDP(near-CDP)
CDPの課題
CDPはそのリアルタイム性により、書き込み操作ごとに複製を取るため、システムに大きな負荷をかける可能性があります。
また、更新頻度が高い場合、単位期間あたりのバックアップデータが膨大になることがあります。
このため、ストレージの容量や処理能力が限られている場合には、運用に影響を及ぼすことがあります。
ニアCDP(near-CDP)
このような課題を解決するために、**ニアCDP(near-CDP)**という簡易型のCDPシステムも存在します。
ニアCDPでは、リアルタイムではなく短い時間間隔でデータの複製を行ったり、管理する世代の数を制限することで、負荷を軽減します。
これにより、リアルタイム性はやや劣るものの、コストとリソースを抑えながらデータ保護を実現することができます。
まとめ
**継続的データ保護(CDP)**は、リアルタイムでデータの変更を保護し、任意の時点に復旧することで、データ損失のリスクを大幅に減少させる手法です。
従来のバックアップ手法と比較して、CDPはより頻繁に、より最新のデータを保護することができます。
ただし、運用コストやシステムの負荷に関する課題も存在し、そのためにニアCDPなどの簡易型ソリューションが選ばれることもあります。
CDPを活用することで、データ保護の信頼性と効率を高め、システムの安定性を確保することが可能です。