COBOL(COmmon Business Oriented Language)は、主に会計処理や事務処理に特化したプログラミング言語です。
この言語は1960年代から利用されており、今でも多くの企業や官公庁のシステムで活用されています。
本記事では、COBOLの特徴、歴史、そして現代の技術環境における重要性について詳しく解説します。
COBOLの基本概念
COBOLの定義と特徴
COBOLは、汎用の手続き型プログラミング言語であり、英文に似た語彙や構文を採用しているのが大きな特徴です。
例えば、「変数Xに1を足す」という処理は、他のプログラミング言語では「X:=X+1」と記述されるところを、COBOLでは「ADD 1 TO X」と表記します。
このように、COBOLは自然言語に近い形式でコードを書くことができるため、プログラムの内容を理解しやすくなっています。
言語の冗長性
一方で、COBOLはその特性から記述が冗長になりがちで、他の言語に慣れた開発者には、処理の流れが把握しにくいことがあります。
また、冗長な表現によって、一見して何をしようとしているのか分かりにくいコードが生成されることもあります。
この点は、COBOLのデメリットとされることが多いです。
COBOLの歴史
初期の発展
COBOLの最初の仕様は、1959年から1960年にかけてアメリカ政府と大手コンピュータメーカーの委員会「CODASYL」によって策定されました。
この言語は、米政府のシステム開発プロジェクトで広く採用されたため、急速に普及しました。
これにより、アメリカ国内だけでなく、日本を含む他の国々でも大型汎用機(メインフレーム)の事務処理システム開発用の言語として定着しました。
現代のCOBOL
COBOLは非常に長い歴史を持つ言語ですが、依然として多くの企業や官庁で利用されています。
例えば、固定小数点数による極めて誤差の小さい金額計算が可能であり、現代の言語にはない優れた特性があります。
2010年代には標準規格の改訂も行われ、処理系の提供が続いています。
しかし、COBOLに熟達した技術者の引退が進んでおり、新規開発のプロジェクトではJavaなどの現代的な言語が採用されることが増えています。
それでも、官庁や大企業の既存システムの改修や更改などにおいては、依然として多くのCOBOLプログラムが開発・運用・保守されています。
COBOLの現代における重要性
COBOLは、古い技術として槍玉に挙げられることもありますが、その高い安定性と精度から、特に金融機関や政府機関においては、信頼性の高いシステムの構築に欠かせない存在です。
また、既存システムの維持管理においても、COBOLの知識が求められています。
まとめ
COBOLは、会計処理や事務処理に特化した歴史あるプログラミング言語であり、そのユニークな特徴と長年の実績から、今なお多くの場面で活用されています。
この記事では、COBOLの基本概念、歴史、現代の重要性について詳しく解説しました。
今後も、COBOLの役割は重要であり続けると考えられます。
新たな技術と共存しながら、今後の発展を見守る必要があります。