EMI(電磁妨害)とは?無線通信と電子機器に与える影響

EMI(Electromagnetic Interference、電磁妨害)は、外部からの電磁波や電場、磁場の影響によって、無線通信や通信ケーブルの信号が乱れたり、電子機器が誤作動を起こす現象を指します。

本記事では、EMIの定義、発生原因、そしてその影響を受ける機器について詳しく解説し、EMIを軽減するための対策や技術的アプローチについても紹介します。

 

EMIの定義と影響

1. EMIの基本概念

EMIは、特定の周波数の電波に信号を乗せている無線通信において、他の発信源からの同じ周波数の電波が存在する場合にノイズを引き起こし、信号の波形を乱すことを意味します。

この現象は、テレビ放送やラジオ放送の受信障害、携帯電話や無線LAN(Wi-Fi)の通信途絶や速度低下など、さまざまな場面で問題を引き起こします。

EMI(Electromagnetic Interference、電磁妨害)

2. EMIの具体的な影響

EMIが発生すると、以下のような具体的な影響が現れます:

  • 無線通信の障害:EMIにより、携帯電話や無線LANの通信が途絶したり、データ転送速度が低下することがあります。
  • 受信障害:テレビやラジオの放送受信において、EMIがノイズを引き起こし、音声や映像が途切れることがあります。
  • 電子機器の誤作動:電子基板や集積回路(IC)内の信号に対して外部の電磁波が干渉することで、通信エラーやデバイスの誤動作が発生する可能性があります。

 

EMIの発生源

1. 人工的な発生源

EMIの発生源には、次のような意図的に電磁波を発生させる機器が含まれます:

  • 無線通信機:携帯電話や無線LANルーターなど。
  • 電子レンジ:特定の周波数の電波を使用して食品を加熱します。

 

2. 自然現象

EMIは人工的な機器だけでなく、自然現象にも起因することがあります:

  • :雷が発生する際には、大量の電磁波が放出され、周囲の通信に影響を与えます。
  • 太陽フレア:太陽から放出される高エネルギー粒子が地球の電磁環境に干渉し、通信に影響を与えることがあります。

 

EMIに対する耐性と対策

1. EMS(電磁感受性)

EMIの影響を受けても正常に動作できる耐性を「EMS」(Electromagnetic Susceptibility)と呼びます。

EMSを高めることで、無線通信や電子機器の信号が外部からの電磁波によって乱されるリスクを低減することが可能です。

 

2. EMC(電磁両立性)

EMC」(Electromagnetic Compatibility)は、機器が外部への干渉源にならない性質を指します。

EMCを確保するためには、設計段階で電磁干渉を考慮し、適切なシールドやフィルタリングを行うことが重要です。

 

まとめ

**EMI(電磁妨害)**は、無線通信や電子機器に深刻な影響を与える現象であり、外部からの電磁波や電場、磁場が原因で発生します。

その影響を受けると、通信の障害や機器の誤作動が起こり得ます。EMIに対する耐性を高め、電磁両立性を確保するための技術的アプローチが必要です。

今後、EMIの理解を深めることで、より安全で信頼性の高い通信環境を実現することが期待されます。

 

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By jisho5