LANハブは、コンピュータネットワークにおいて不可欠な集線装置であり、機器間の相互接続を実現します。
本記事では、LANハブの基本的な機能、スイッチングハブとの違い、対応するイーサネット規格などについて詳しく解説します。
これにより、LANハブの選び方や利用シーンについて理解を深めていただけるでしょう。
LANハブの基本機能
1. LANハブとは?
LANハブ(またはネットワークハブ)は、構内ネットワーク(LAN)で複数の機器を接続するための集線装置です。
通常、イーサネット(Ethernet)規格に基づく中継装置として機能します。
LANハブは、複数の接続ポートを備え、受信した信号を他のポートに再送信することで機器間の通信を可能にします。
2. LANハブの構造
LANハブには、UTPケーブル(銅線ケーブル)用のRJ45コネクタや光ファイバーケーブル用の光ポートが設けられています。
これにより、異なるタイプのネットワークデバイスと接続することが可能です。
ハブの基本的な動作は、受信した信号を増幅して全てのポートに再送信することです。
3. LANハブと他の装置の違い
LANハブは、単純に全ての信号を再送信するだけの装置ですが、リピータハブ(repeater hub)とは異なり、特定のMACアドレスに基づいて信号を選択的に再送信する機能を持つ装置をスイッチングハブ(switching hub)と呼びます。
現在では、スイッチングハブが一般的になっており、LANハブという名称はあまり使用されていません。
イーサネット規格とLANハブの対応
1. イーサネット規格の種類
イーサネットには、世代や仕様が異なる複数の規格が存在します。
主流のLANハブは、ギガビットイーサネット(Gigabit Ethernet)に対応した1000BASE-T規格の製品です。
これにより、1Gbps(ギガビット毎秒)の高速通信が可能になります。
2. 自動切替機能
LANハブは、前世代の100BASE-TX(100Mbps)にも対応しており、接続するデバイスに応じて自動的に通信速度を切り替えることができます。
これにより、異なる世代の機器を混在させたネットワーク環境でも、スムーズにデータ通信を行うことができます。
無線LANとの関連
1. アクセスポイント(AP)とは?
無線LAN(Wi-Fi)における集線装置は、アクセスポイント(AP:Access Point)と呼ばれます。
APは周囲にあるWi-Fi機器からの接続を受け入れ、機器間や有線回線との中継を行います。
2. ハブとアクセスポイントの兼用
最近では、複数の有線LAN(Ethernet)ポートを備えたアクセスポイント製品も登場しており、ハブと兼用になるものもあります。
このような製品は、無線接続の利便性を保ちながら、有線接続も可能にします。
まとめ
LANハブは、コンピュータネットワークにおいて重要な役割を果たす集線装置であり、機器間の接続を効率化します。
また、最新のイーサネット規格に対応した製品を選ぶことで、高速かつ安定した通信が可能です。
無線LANとの組み合わせや、アクセスポイントとの互換性も考慮しながら、最適なネットワーク環境を構築していきましょう。