NICチーミング(NIC teaming)は、複数のネットワークインターフェースカード(NIC)を組み合わせて一つの仮想アダプタとして運用する技術であり、負荷分散や耐障害性の向上を図るために使用されます。
本記事では、NICチーミングの基本概念、動作モード、実際の設定方法や利点について詳しく解説します。
これにより、読者はネットワーク構築におけるNICチーミングの重要性を理解し、実践的な応用方法を学ぶことができます。
NICチーミングの基本概念
NICチーミングとは?
NICチーミングは、コンピュータに装着された複数のNICを束ねて、負荷分散、帯域向上、耐障害性を強化するための技術です。
この技術を利用することで、複数の物理的なネットワークアダプタをソフトウェアで一体的に運用することが可能になります。
必要な条件
NICチーミングを利用するためには、対応するネットワークカードやマザーボードが必要です。
また、設定によっては接続先のネットワークスイッチの対応も求められます。
動作モード
フォールトトレランス(耐障害性の向上)
耐障害性の向上を目的とする場合、NICは稼働系と待機系に分かれます。
通常時は稼働系を使用し、障害が発生すると自動的に待機系に切り替わります。
このような切り替えにより、ネットワークの信頼性が向上します。
ロードバランシング(負荷分散)
ロードバランシングを目的とする場合は、全てのアダプタを併用して均等に通信を分散します。
これにより、高速な一本の伝送路として機能し、全体の通信効率が向上します。
アダプタの統合方法には、リンクアグリゲーションを使用することが一般的です。
NICチーミングの手法
AFT(Adapter Fault Tolerance)
AFTは、通常使用しているポートが故障すると即座に別のポートに切り替えて通信を続行する方法です。
AFTを利用するには、2つ以上のネットワークインターフェースが必要で、それらを同一のネットワーク機器に接続します。
プライマリポートに障害が発生すると、バックアップポートが即座に有効になり、設定を引き継いで通信を続けます。
SFT(Switch Fault Tolerance)
SFTは、使用しているポートやケーブル、接続先のスイッチが故障した際に、別のポートに切り替えて通信を続行する方法です。
この手法でも、複数のネットワークインターフェースが必要で、別々のスイッチに接続されていることが求められます。
プライマリポートに障害が発生すると、バックアップポートが有効になり、通信が継続されます。
まとめ
NICチーミングは、ネットワークの効率を向上させ、信頼性を高めるための強力な技術です。
負荷分散や耐障害性の向上を実現するために、AFTやSFTといったさまざまな手法が利用されます。
これらの理解を深めることで、より堅牢なITインフラを構築することができるでしょう。
NICチーミングを活用することで、ビジネスの成長に応じた柔軟なネットワーク設計が可能になります。