NTPサーバ(Network Time Protocol server)は、インターネットやTCP/IPネットワーク上で正確な現在時刻を配信する重要なサーバです。
NTP(Network Time Protocol)を使用して、サーバ同士で時刻を同期させたり、クライアントに正確な時刻を提供したりします。
本記事では、NTPサーバの基本的な機能、階層構造、そしてその利用方法について詳しく解説します。
NTPサーバとは?
基本的な定義
NTPサーバは、正確な時刻情報を提供するサーバで、コンピュータやネットワーク機器がこのサーバにアクセスすることで、自身の時計を正しい時間に調整することができます。
インターネット上には、通信事業者や研究機関が運営する公開NTPサーバが多数存在し、誰でも利用可能です。
また、企業内で専用のNTPサーバを運用することも一般的です。
NTPとSNTPの違い
NTPの簡易版であるSNTP(Simple NTP)は、主にリソースが限られたデバイス向けに設計されています。
SNTPは、よりシンプルな仕様で、正確性がNTPよりも劣りますが、迅速に時刻を取得できる利点があります。
NTPサーバの階層構造
ストラタムの説明
NTPサーバは、ストラタムと呼ばれる階層構造を形成しています。
最上位のStratum 1サーバは、原子時計やGPS受信機などの正確な時刻源に直接接続されており、これを「Stratum 0」と呼ぶこともあります。
Stratum 1サーバは一般に公開されず、下位サーバからのみ参照されることが多いです。
Stratum 2以下のサーバ
Stratum 2以下のサーバは、上位のStratum 1サーバから時刻データを受信し、自らの時刻を維持します。
これらのサーバは、NTPクライアントからの問い合わせに応じて、正確な時刻を提供します。
この際、SNTPを利用して簡素化されたデータを配信することもあります。
NTPサーバの利用方法
1. パソコンやネットワーク機器の時刻調整
ユーザーは、NTPクライアントを用いてNTPサーバにアクセスし、コンピュータやデバイスの内部時計を自動的に調整できます。
これにより、時間のずれが解消され、ネットワーク全体の時間が統一されます。
2. 企業内での利用
多くの企業では、内部ネットワークの時間を統一するために、専用のNTPサーバを運用しています。
これにより、サーバやデバイス間のデータ整合性が保たれ、トラブルシューティングが容易になります。
まとめ
NTPサーバは、正確な時刻情報を提供することで、インターネットや企業ネットワークの運営に欠かせない要素です。
Stratum階層構造により、複数のサーバが連携して正確な時刻を維持しており、企業や個人が時刻を調整するための便利な手段を提供しています。
今後も、NTPサーバの重要性は増す一方であり、正確な時刻の維持が求められる環境において、その役割はますます重要になるでしょう。