PSK(事前共有鍵)とは?Wi-Fiセキュリティの基礎

**PSK(Pre-Shared Key)**は、通信の暗号化に使用される重要な技術であり、特にWi-Fiネットワークにおいて広く利用されています。

この方式は、事前に共有された秘密の符号を基に暗号鍵を生成し、接続認証を行います。

本記事では、PSKの基本概念、Wi-Fiにおける実装、そしてその利点と欠点について詳しく解説します。

PSKの基本概念

PSKとは何か

PSKは、事前に共有されたパスワードやパスフレーズを使用して通信の暗号化を行う方式です。

この方法では、接続したい複数の機器に共通のパスフレーズを入力し、接続時にその一致を確認します。

暗号化の際には、このパスフレーズを基に演算を行い、暗号鍵を生成します。

認証プロセス

PSKによる認証は、次のように進行します:

  1. ユーザーはWi-Fiアクセスポイントと端末に同じパスフレーズを設定します。
  2. 接続時にこのパスフレーズを用いて認証を行います。
  3. 接続後、パスフレーズから特定の演算手順を経て、PMK(Pairwise Master Key)と呼ばれるマスター鍵が算出されます。

Wi-FiにおけるPSK

WPA/WPA2とPSK

Wi-Fiのセキュリティ規格であるWPAおよびWPA2では、家庭向けや小規模ネットワーク向けのパーソナルモードにおいてPSK方式を利用しています。

WPAでは「WPA-PSK」、WPA2では「WPA2-PSK」として知られています。

使用例

利用者は、Wi-Fiアクセスポイントと端末に8~63文字の同じパスフレーズを設定します。

これにより、手軽に接続認証を行うことができます。

PSKの利点と欠点

PSK(事前共有鍵)

利点

  • 簡易性: 認証サーバを必要とせず、パスフレーズを共有するだけで接続可能。
  • コスト効率: 小規模ネットワークや家庭用として非常に便利。

欠点

  • セキュリティリスク: 一つのパスフレーズをすべての端末で使用するため、ネットワーク内で一台の端末が侵害されると、全体が危険にさらされる可能性があります。
  • 大規模ネットワークへの不向き: 大規模なネットワークでは、独立した認証方式や鍵交換方式を採用することが望ましいです。

まとめ

**PSK(事前共有鍵)**は、Wi-Fiネットワークにおける重要な暗号化方式であり、そのシンプルさと手軽さから広く利用されています。

しかし、そのセキュリティ上の懸念から、大規模なネットワークには不向きです。

PSKの理解は、ネットワークセキュリティを強化する上で非常に重要です。

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