RIR(Regional Internet Registry)は、インターネット上で利用されるIPv4やIPv6アドレス、AS番号などの識別番号を登録・管理する非営利団体です。
RIRの役割は、インターネット上の資源が重複しないように各地域で管理・割り当てを行うことで、グローバルなインターネットの健全な運営を支えています。
本記事では、RIRの役割や仕組み、そして世界の5つのRIRについて詳しく解説します。
RIRの役割と仕組み
RIRとは?
RIR(地域インターネットレジストリ)は、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)から委託されたインターネット資源を、地域ごとに管理・割り当てるための団体です。
インターネット上では、IPv4アドレスやIPv6アドレス、AS番号といった識別番号が必要不可欠です。
RIRは、これらの番号が重複しないように管理し、地域内のインターネットサービスプロバイダ(ISP)やその他の組織に対して番号を割り当てます。
ICANNとRIRの連携
インターネットの番号資源は、ICANNがグローバルに調整し、RIRへ大きなブロック単位で委託しています。
その後、RIRはそれぞれの地域で番号資源を割り当て、インターネットがスムーズに運用できるように管理します。
たとえば、IPv4アドレスは数に限りがあり、慎重な管理が求められます。ここでRIRが重要な役割を果たしているのです。
RIRの地域分け
世界には5つの主要なRIRが存在し、それぞれ特定の地域を担当しています。
- ARIN(American Registry for Internet Numbers):南北アメリカ大陸
- APNIC(Asia Pacific Network Information Centre):アジア・太平洋地域
- RIPE NCC(Reseaux IP Europeens Network Coordination Centre):ヨーロッパと中東
- LACNIC(Latin American and Caribbean Internet Address Registry):中南米とカリブ地域
- AfriNIC(African Network Information Center):アフリカ大陸
これらの団体は、それぞれの地域内でインターネットの健全な運営を支え、番号資源の申請に応じて割り当てを行っています。
日本とRIRの関係
日本の担当RIR:APNIC
日本はアジア・太平洋地域を担当するAPNICの管轄にあります。
APNICは、インターネット資源の管理を行う一方で、日本国内ではさらに**JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)**がその役割を果たしています。
JPNICは、APNICから資源の割り当てを受け、国内のインターネットサービスプロバイダや他の組織に対してこれらの資源を分配しています。
NIR(National Internet Registry)の役割
一部のRIRでは、**NIR(国別インターネットレジストリ)**が存在し、国単位での資源の割り当てを行っています。
たとえば、日本のJPNICはその一例であり、APNICから受け取った資源を国内で管理・分配する役割を担っています。
これにより、国ごとに適切なインターネット資源の管理が行われ、地域の需要に対応することが可能となります。
世界のRIRの進化と今後の展望
RIRは当初、世界を3つのブロックに分けて運営されていました。
ARINが南北アメリカを、APNICがアジア・太平洋地域を、RIPE NCCがヨーロッパと中東を担当していましたが、その後、中南米を担当するLACNICと、アフリカを担当するAfriNICが独立し、現在の5団体体制が整いました。
インターネットの普及とともに、番号資源の管理はますます重要になっており、RIRは引き続きインターネットの発展を支えていくことが期待されています。
まとめ
RIR(地域インターネットレジストリ)は、世界のインターネット資源を管理・分配するための重要な非営利団体です。
世界に5つのRIRが存在し、各地域におけるインターネットの運営をサポートしています。
日本はAPNICの管轄地域にあり、国内ではJPNICがその役割を果たしています。
RIRの役割を理解することで、インターネットの根幹となるインフラがどのように機能しているのかが見えてきます。