STPケーブル(Shielded Twisted Pair cable)は、電磁ノイズを遮断し、安定した信号伝送を実現するための重要な通信ケーブルです。
特に、高い周波数が要求される環境やノイズの多い工場内での利用が不可欠です。
本記事では、STPケーブルの構造、特徴、利点、そして具体的な用途について詳しく解説します。
STPケーブルの基本構造
STPケーブルとは
STPケーブルは、撚り合わせた金属線のペアを利用して電気信号や電力を伝送する通信ケーブルの一種です。
一般的には、絶縁された二本の銅線を撚り合わせた構造を持ち、通常は4対8本を束ねた8芯式が多く使用されています。
シールドの役割
STPケーブルは、撚り線と外周の被覆(シース)の間に金属製のシールドを挿入しており、以下の利点があります:
- 外部ノイズの遮断:電磁波の漏洩を防ぎ、外部のノイズ源からの干渉を低減します。
- 信号品質の向上:信号の減衰や乱れを防ぎ、高品質な通信を実現します。
シールドの種類
シールドには主に以下の2種類があります:
- 組編シールド:細い金属線を網目状に加工したもので、一般的に使用されます。
- ホイルシールド:薄い金属膜で覆ったもので、FTP(Foiled Twisted Pair)ケーブルとも呼ばれます。
STPケーブルの利点と用途
高周波数での通信
STPケーブルは、特に高い周波数での通信が要求される環境において非常に効果的です。
例えば、カテゴリ6Aやカテゴリ7の規格では、極めて高い周波数の信号を伝送するため、STPケーブルの使用が基本とされています。
難しい環境での安定性
ノイズの多い工場内など、UTPケーブルでは対応が難しい環境において、STPケーブルが選ばれる理由はその耐障害性です。
シールドがしっかりと施されているため、信号の安定性が保たれます。
専用コネクタの必要性
STPケーブルは、コネクタ部も重要な要素です。
一般的なUTP用のRJ45(8P8C)コネクタでは、干渉を受けやすいですが、STPではTERAやGG45などのコネクタを使用し、シールドを施した構造でアースされます。
これにより、通信の品質がさらに向上します。
まとめ
STPケーブルは、電磁ノイズを遮断し、信号の安定性を確保するための優れた選択肢です。
特に、高周波数の通信やノイズの多い環境において、その重要性が増しています。
シールドの種類やコネクタの選定も含め、最適な通信環境を構築するためには、STPケーブルが不可欠です。
今後も、通信技術の進化と共にその利用は広がっていくことでしょう。
さらに参考してください。