**サスペンド(suspend)**は、コンピュータの省電力機能の一つであり、短時間の使用中断時にシステムを迅速に再開できるように設計されています。
本記事では、サスペンドの定義、動作原理、実用例、そして他の省電力機能との違いについて詳しく解説します。
サスペンドの基本概念
1. サスペンドの定義
サスペンドとは、コンピュータの一部の機能を停止させ、低消費電力モードで待機状態にすることを指します。
この状態では、画面はオフになり、操作は受け付けなくなりますが、内部の制御回路は動作し続けており、迅速に再開できるように準備されています。
2. サスペンドとレジューム
サスペンド状態から復帰する動作は「レジューム(resume)」と呼ばれ、数秒で元の操作状態に戻ることができます。
この迅速な復帰は、特に離席時や短時間の移動時に非常に便利です。
サスペンドの種類
1. STR(Suspend-To-RAM)
STRは、メインメモリ(RAM)にデータを保持したまま、他の通電を遮断し、コンピュータを省電力モードにする方式です。
この場合、電力消費は比較的高くなりますが、瞬時に復帰することが可能です。
2. STD(Suspend-To-Disk)
STDは、メモリ上の内容をハードディスクなどのストレージに退避させて完全に電源を切る方式であり、通常「ハイバネーション(hibernation)」または「休止状態」と呼ばれます。
この場合、電力消費はゼロですが、復帰には数秒から数十秒の時間がかかります。
サスペンドの実用例
1. ノートパソコンでの利用
多くのノートパソコンでは、ディスプレイを閉じると自動的にサスペンドモードに入ります。
これにより、持ち運び中にバッテリーを無駄に消費することを防ぎます。
2. オフィスでの効率化
オフィス環境では、サスペンド機能を利用することで、長時間のミーティングや短時間の休憩中にコンピュータを素早く再開することができ、生産性を向上させることができます。
サスペンドと他の省電力機能の違い
1. スタンバイ(Standby)との違い
Windowsでは、Windows 95までは「サスペンド」という名称で表示されていましたが、Windows 98以降は「スタンバイ」と呼ばれるようになりました。
最近のWindowsでは「スリープ」とも表示され、サスペンド状態とハイバネーションを組み合わせた「ハイブリッドスリープ」も標準機能として提供されています。
2. ハイバネーション(Hibernation)
ハイバネーションは、全てのデータをハードディスクに保存し、完全に電源を切る機能です。
サスペンドに比べて電力消費は少なくなりますが、復帰までの時間が長くなります。
まとめ
サスペンド(suspend)は、コンピュータの省電力モードとして非常に便利な機能であり、短時間の使用中断において迅速にシステムを再開することが可能です。
STRとSTDという二つの形式が存在し、利用シーンによって使い分けることができます。
この機能を理解することで、より効率的なコンピュータの使い方ができるでしょう。
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