シャドーIT(shadow IT)は、企業内部で従業員や各業務部門の判断に基づいて導入される情報システムやその要素を指します。
本記事では、シャドーITの定義、リスク、およびその対策について詳しく解説します。
シャドーITが企業に与える影響を理解することで、より安全で効率的な業務運営が可能になります。
シャドーITの基本概念
1. シャドーITの定義
シャドーITとは、企業や組織内で正式に承認されていない情報システム、機器、ソフトウェアのことです。
従業員が独自に判断して持ち込む私物のスマートフォンやタブレット、USBメモリ、または私用ソフトウェアがこれに該当します。
これらは経営部門やシステム管理部門の把握や管理が及んでいないため、リスクを伴います。
2. シャドーITの背景
最近のIT機器の高機能化や、無料または低価格で提供される便利な個人向けソフトウェアの増加により、業務用の製品がこれに追随せざるを得なくなる「ITコンシューマライゼーション」が進んでいます。
この流れが、シャドーITの増加を助長しています。
シャドーITがもたらすリスク
1. セキュリティ上の問題
シャドーITは、適切な管理が行われていないため、マルウェア感染や情報漏洩、外部からの攻撃を引き起こす可能性があります。
これにより、企業の重要なデータが危険にさらされることになります。
2. 通信障害のリスク
業務用に設計されていない機器やソフトウェアが無断で導入されることにより、通信機器の設置や配線に問題が生じ、業務に支障をきたす可能性があります。
シャドーITへの対策
1. 監視と管理の強化
シャドーITを防ぐためには、情報システムの徹底した監視と管理が必要です。
経営部門とIT部門が協力し、非公式に導入された要素を排除し、必要に応じて接続を遮断することが求められます。
2. BYOD(Bring Your Own Device)の導入
従業員が業務の効率化を求めて私物の機器を持ち込む背景を理解し、一定のルールのもとで持ち込みを認める動きもあります。
これをBYOD(Bring Your Own Device)と呼びます。
BYODを導入することで、従業員の生産性を高めつつ、リスクを最小限に抑えることができます。
3. サンクションITとの区別
シャドーITと対比される概念として、正式に導入された機器やソフトウェアをサンクションIT(sanctioned IT)と呼びます。
これは企業が正式に認め、契約したクラウドサービスなどを含みます。
サンクションITの導入により、シャドーITのリスクを低減できます。
まとめ
シャドーITは企業にとって重大なリスクを伴いますが、適切な対策を講じることで、その影響を最小限に抑えることが可能です。
特に、BYODの導入やサンクションITの活用は、シャドーITの問題を解決するための有効な手段です。
企業は、シャドーITの実態を理解し、管理体制を整えることが必要です。
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