**全銀協手順(全銀協標準通信プロトコル)**は、日本の金融機関間でのデータ交換を効率的に行うために制定された重要な通信プロトコルです。
1983年に全国銀行協会(全銀協)によって設立されたこの規格は、金融機関同士や金融機関と顧客のシステムを接続し、安全かつ迅速な情報交換を実現します。
本記事では、全銀協手順の概要、歴史、現在の利用状況、及びその重要性について詳しく解説します。
全銀協手順の基本概念
全銀協手順とは?
全銀協手順は、主に日本の金融機関で用いられる通信手順(プロトコル)であり、金融機関のシステムを広域通信網を通じて接続し、データを交換するための基準を提供します。
これにより、日本国内の銀行や金融機関、さらに金融機関と顧客との間でのオンラインデータ交換が円滑に行われます。
歴史的背景
全銀協手順は、1983年に制定されて以来、日本独自の規格として金融業界に浸透しています。
最初の規格である「全銀ベーシック手順」は、専用端末と公衆交換電話網を利用して通信を行い、当初はアナログ電話回線を介して最高2400bpsでの通信が可能でした。
全銀協手順の種類
全銀ベーシック手順(Z手順)
全銀ベーシック手順は、1983年に最初に制定された規格で、主に専用端末を通じて公衆交換電話網を利用します。アナログ通信の限界を超えるべく、ISDN回線を用いることでより高速な通信が可能となりましたが、2023年末にはサポートが打ち切られる予定です。
全銀TCP/IP手順(拡張Z手順)
1997年には全銀TCP/IP手順が策定され、インターネットの普及に伴い、通信制御の手法がBSC手順からTCP/IPへと移行しました。
この新しい規格は、さまざまな機器やソフトウェアの利用を可能にしましたが、こちらも公衆交換電話網を基盤としているため、2023年末での利用終了が見込まれています。
新たなTCP/IP手順・広域IP網
2017年に制定されたTCP/IP手順・広域IP網は、インターネットやIP-VPNを利用した新しい通信方法を提供します。
この手順は、金融サービスに求められる高いセキュリティを考慮し、通信事業者の閉域網を通じるVPNサービスの利用が推奨されています。
全銀協手順の応用と重要性
金融機関における利用
全銀協手順は、金融機関間での電子データ交換(EDI)システムでも広く利用されています。
これにより、銀行間の取引や顧客とのコミュニケーションが迅速かつ正確に行えるため、金融サービスの信頼性が向上します。
セキュリティの重要性
金融業界ではセキュリティが非常に重要です。
新たな手順が導入されることで、データの保護や不正アクセスからの防御が強化され、利用者の信頼を得ることができます。
まとめ
全銀協手順は、日本の金融機関における標準通信プロトコルであり、オンラインデータ交換を円滑にするための重要な役割を果たしています。
その進化を通じて、金融サービスはより安全かつ効率的に提供されるようになっています。
今後も、この規格は日本の金融システムにおいて不可欠な存在であり続けるでしょう。
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