共連れ(piggybacking) は、セキュリティが強化されたエリアへの不正侵入の手口として知られています。
許可のない人物が、許可された人物とともにエリアに入り込む行為を指し、企業やマンションなどでの安全を脅かすリスクがあります。
この記事では、共連れの手口やリスク、そして具体的な防止策をIT分野の視点から詳しく解説します。
共連れの仕組みとリスク
共連れ(piggybacking)とは何か?
共連れ(piggybacking)は、立ち入りが制限されているエリアへ、認証を受けた人物と一緒に許可のない人物が侵入する行為を指します。
日本ではテールゲート攻撃とも呼ばれ、不正侵入者がオフィスやセキュリティエリアに入り込む手口として問題視されています。
共連れには、許可を持つ人物が意図的に協力するケースと、無関係な人物が偶然近くにいて一緒に入るケースがあります。
いずれの場合も、不正なアクセスによるシステムへの干渉や機密情報の漏洩といったリスクを伴います。
共連れのリスクと被害例
共連れはマンションや企業のオフィスで発生しやすく、機密情報の漏洩やシステムの不正操作といった深刻な被害を引き起こす可能性があります。
例えば、企業内のデータセンターに共連れで侵入された場合、システムの重要情報が盗まれたり、機密性の高いデータが改ざんされたりする恐れがあります。
共連れ防止のための対策
1. セキュリティゲートの導入
共連れを防止するためには、自動改札型やロータリー型のセキュリティゲートの導入が有効です。
これらのゲートは、1度の認証で1人しか通過できないため、不正な侵入を物理的に防ぎます。
また、インターロックゲートを設置することで、1つのドアを通過した後に中間のエリアで再度認証が求められる仕組みを作ることができます。
2. 監視カメラとセンサーの活用
監視カメラや人数センサーを設置し、複数人が同時にエリアに入る場合に警報が鳴るようにすることで、共連れの抑止効果を高めることが可能です。
また、最新のAI技術を活用することで、侵入者の動きをリアルタイムで追跡し、異常が検知された際に即座に通知されるシステムもあります。
3. アンチパスバック方式の採用
アンチパスバック(Anti-passback)方式を採用することで、退場時にも認証が必須となり、許可のない人物がエリアに留まれないようにできます。
もし不審な人物がエリア内に留まっている場合、警備員が駆けつける仕組みを整えることで、より安全な環境を構築できます。
4. 定期的なセキュリティ教育
共連れのリスクを最小限に抑えるためには、従業員へのセキュリティ教育が重要です。
定期的にセキュリティ意識を高める研修や、共連れのリスクについての啓発活動を行うことで、従業員自身が積極的に防止策を取るようになります。
まとめ
共連れ(piggybacking)は、物理的なセキュリティの隙を突く攻撃であり、ITセキュリティの一環としても大きな脅威となります。
セキュリティゲートの設置、監視カメラ、アンチパスバック方式といった対策を講じることで、共連れによるリスクを効果的に抑制することが可能です。